無線LANの構築

- 2001年4月 -


1.レポートの概要

日本への出張時にメルコのエアステーションを買ってきて、ワイヤレスのインターネット常時接続環境を実現しました。その他にも、複数PCのによるインターネット同時接続やプリンターなどの周辺機器やファイルが共用できる無線LAN環境を構築できました。

今回は、構築したい無線LAN環境、エアステーションのセットアップ方法、現在の利用状況及び使ってみた感想などについてレポートします。



2.構築したい無線LAN環境

前回レポートしたとおりケーブルTV回線を使ったインターネット接続サービスに加入しました。
これと無線LANを組み合わせることにより、以下のような環境の実現を目指しました。
@ 家中のどこからでもワイヤレスでインターネットに接続できる
A プロバイダーから割当てられる一つのIPアドレスだけで複数のPCから同時にインターネットに接続できる
B プリンターなどの周辺機器を複数のPCで共有する
C 会社のモバイルPCと家のメインPCとの間でアドレス帳、お気に入りページ、メッセージ等のファイルをネットワーク上で同期させる
D デジカメの写真などのファイルを複数のPCで共有する


家族 (家内と子供) がこちらに来ることを前提に、下図のようなネットワーク構成を想定してセットアップを進めました。




注1) 上図のうちサプ・ノートとプリンターは現時点では日本の自宅にあります
注2) 子供用のデスクトップ (?) については必要であれば追加購入予定



3.エアステーションのセットアップ方法

今回購入したのは WLS-L11S-L いうモデルで、CATV/xDSL対応の WLAR-L11-L無線LANカード WLI-PCM-L11 が1枚同梱されたセットモデルです。これとは別に無線LANカードをもう1枚購入し、先ずはアクセスポイント1ヶ所/無線PC2台 (メイン・ノートとモバイル・ノート) についてのセッティングを行いました。



<STEP 1> ネットワークアドレスの確認


従来のインターネットの接続設定がIPアドレス自動取得になっているため、事前に winipcfg コマンドで現在のネットワークアドレスを調べます。





ホスト名の CRxxxx-A はクライアントID (PCではこれをコンピューター名として設定) で、そのあとの ym1.on.wave.home.com がドメイン名です。ここに表示される情報はエアステーション設定において必要になりますので、これをメモしておきます。



<STEP 2> 無線LANカードのセットアップ


今回はメイン・ノートの ThinkPad T21 (Win98SE) を使ってエアステーションのセットアップを行いますので、先ずはこのPCに無線LANカードをセットアップします。

セットアップ方法は通常とPCカードと同じで、ドライバーは付属の CD-ROM に入っているものを使います。

デバイスマネージャーで正しくセットアップされていることを確認したら、無線LANカードアダプターに TCP/IPの仮設定を行います。本来はIPアドレスはエアステーションから自動的に割当てられますが、ここでは仮にIPアドレスを 192.168.0.2、サブネットマスクを 255.255.255.0 とします。

これまではネットワークの識別情報として 「コンピューター名」 にはプロバイダーにおける 「クライアントID」 、 「ワークグループ」 には 「@HOME」 を設定していました。家庭内のネットワーク環境で使い易いように 「コンピューター名」 を主な使用者の名前に、ワークグループを 「GROUP」 に変更しました。

なおPCの省電力設定によっては無線LANカードが正しく動作しないらしいので、ThinkPad Utilities にて省電力をオフにしました。



<STEP 3> エアステーションのセットアップ


付属の CD-ROM よりエアステーション・マネージャーをインストールし、エアステーション側のセットアップを行います。

マニュアルにどおりにエアステーションの検索 → エアステーションの設定まで行えば少なくとも設定用のPCからはインターネットに接続できるはずなんですが…。







エアステーション設定画面が表示されたら 「簡易設定」 画面にて必要事項を入力します。
→ 簡易設定画面の入力方法

簡易設定画面での設定が完了したら、エアステーション・マネージャーの管理ツールを起動し 「詳細設定」 から 「IPアドレス自動割当」 を選択して必要事項を入力します。
→ IPアドレス自動割当画面の入力方法



<STEP 4> PC側のTCP/IPの再設定


エアステーション側の設定は一応終了ですので、ここで winipcfgコマンドにてIP設定画面を表示し無線LANカードのIPアドレスを一旦開放します (有線接続の場合は使用しているネットワークアダプターを選びます) 。次にネットワーク設定にて無線LANカードのTCP/IP設定を 「IPアドレス指定」 から 「自動取得」 に変更します。

これでPCを再起動すればプロバイダーの DHCPサーバーからエアステーションにグローバルIPが自動的に割当てられ、さらにエアステーションから設定用のPCに 192.168.0.2 が割当てられインターネットへの接続が可能になります。



<STEP 5> ネットワークアドレス取得状況の確認


PC側については、再度 winipcfg コマンドでネットワークアドレスの取得状況を調べます。正しく設定されていれば下記のようになっているはずです。





エアステーション側については、エアステーション・マネージャーの 「機器診断」 メニューにより確認できます。

プロバイダーの DHCPサーバーからのアドレスの取得状況は 「本体情報」 から調べられます。
→ 本体情報画面

pingテストではプロバイダーの各サーバーとの接続状況を確認することができます。
→ pingテスト画面



<STEP 6> インターネット接続/Eメール送受信の確認


上記が確認できればれでインターネット接続/Eメール送受信ともうまくいくはずなんですが、なぜかメールの送受信ができません。





これでようやくセットアップ用のPCからインターネットとメールが使えるようになりました。



<STEP 7> クライアント・マネージャーのインストール


付属の CD-ROM よりクライアント・マネージャーをインストールし、エアステーションと無線LANカードとの通信状態のチェックや無線通信の設定を行えるようにします。クライアント・マネージャーを起動しエアステーションの検索を行うと、次のように通信可能なエアステーションが表示されます。




クライアント・マネージャーからは次の機能が使えます。
通信状態のチェック → 接続テスト画面
無線通信の設定 → 設定画面



<STEP 8> その他のクライアントPCのセットアップ


モバイル・ノートの ThinkPad X20 (Win2k) にもクライアントPCとしてのセッティングを行います。

セットアップは無線LANカードの取り付けおよびネットワーク関連の設定とクライアント・マネージャーのインストールのみです。

Win98SE と Win2k の違いはあるものの、既に一台目のPCのセットアップの実績があるため今度はスムーズにいくだろう…と思っていたのですが、思わぬ所に落とし穴がありました。





無事トラブルは解決され、無事2台のクライアントPCからの無線でのインターネット接続が可能となりました。



4.現在の利用状況と使ってみた感想

メイン・ノートである ThinkPad T21 はケーブルモデムのすぐ近くの机の上に 「常駐」 しているので現在はエアステーションとは有線接続にしています。一方、モバイル・ノートの ThinkPad X20 は毎日会社と家を往復しており、こちらの方は無線LANカードを挿して使っています。こちらは家の中で持ち運ぶのにも便利なため、リビングやキッチンに持ち込んでインターネットにアクセスする際はもっぱら X20 を使っています。

まだ家族がこちらに来ておらず (果たして来てくれるんだろうか?) ThinkPad 600 とプリンターは日本の自宅にあるので、本来の無線LANのメリットはまだ実現できてません。

また T21 と X20 とで共有 (同期) するファイルといっても X20 はほとんどのファイルが会社の共用サーバーにあるので (メールやスケジュールはロータス・ノーツだし) 同期できるファイルも限られています。それと後述の会社の NTドメインと自宅のワークグループという異なる環境の切り替えの煩わしさもあるため、今のところのメリットは 「無線でインターネットができる」 ということに限定されています。



<無線LANカードとエアステーション間の通信状況>


借りている家が 3階建てのタウンハウス なので通信状態が心配でしたが、エアステーションを2階に設置した状態ではどの部屋でも接続テスト結果は 「良好」 でした。垂直方向 (間には床) よりむしろ水平方向 (間にはドア・壁) の方が障害物による通信状態の悪化が大きいようです (それでも診断結果としては 「良好」 ) 。

PC間のファイルの転送は試していないので実際の転送速度はわかりませんが、インターネットで Webページを表示する程度なら体感上これまでの有線接続とほとんど変わりません。



<無線と有線>


借家のため壁に穴を空けるわけにもいかず、かといって家中の床にLANケーブルを這わすのは邪魔だし、ということで無線LANは大変メリットが大きいと思います。こちらの家はほとんどの部屋に電話のモジュラージャックが付いているため、聞くところによるとこの電話回線を使った家庭内LANが以前から結構使われているとのこと。しかし、モジュラージャックも必ずしも部屋の中の丁度いい位置に付いている訳ではないので結局は配線が邪魔になるのではないかと思います。



<CATVインターネット利用規約上の問題>


前のレポートに書きましたが、一つの契約でプロバイダーから与えられるIPアドレスは一つで (追加料金により複数IPアドレスの取得は可能) 規約上はこのグローバルIPアドレスを持つPCからのみインターネット接続が認められることになっています。従ってエアステーションから割当てられるプライベートIPアドレスを持つクライアントPCからインターネットに接続すると、例えそれが1台だけでも厳密に言うと規約違反になるものと思われます。

ただ実際にプロバイダー側でグローバルIPアドレスから先について真剣に追跡調査しているとは思われません (やろうと思えばできるのかも知れませんが…) 。

いずれにしてもセキュリティの観点や家庭内LANの構築のしやすさという点では、LAN内ではプライベートIPの方がメリットは大きいはずです。



<無線通信を行う上でのセキュリティ問題>


現時点では、通信可能な無線LANカードの MACアドレスを制限しているだけです。

無線LANパソコンの制限 → 設定画面

もうしばらく使って慣れてきたら 「暗号化」 「パケットフィルタ設定」 などの機能を使ってみようと思っています。



<会社の NTドメインへの参加の問題>


今のところおおむね快適に使えていますが、ひとつだけやっかいな問題があります。

それはモバイル・ノートの方を会社のネットワーク (NTドメイン) と家庭内のネットワーク (ワークグループ) といちいち切替えて使わなければならないことです。

会社ではドックに挿した TokenRingカードを使うので一つの NICを共用するのに比べれば楽なのですが、ネットワーク上での識別をワークグループ用の設定すると会社の NTドメインに参加する際に、ネットワーク管理者のIDとパスワードの入力が必要になってしまいます。

これは Win2Kにおけるセキュリティ強化に伴う仕様 らしいのですが、毎日会社のネットワーク管理者に入力をお願いするのも気が引けるので、現在対応策を検討中です。